2020/08/04

握手

昔ブラジルから帰ってまもなく研究室に行ったら、他の研究室の先生が来ていて教授と話していた。教授は私を見るとその先生に「彼はブラジルの某大学から戻ったばかりだ」と教え、私にその先生も米国の某大学への留学からから戻ったところだと言った。双方、期せずして右手を差し出して握手をした。周囲のものはちょっとポカンとした。

こちらは院生であり、その先生は助教授で、つい数年前に私は学部の実習で彼の監督を受ける身分だった。その先生の研究室とは研究棟の中で階が違い、めったに顔を合わせなかった。研究に必須な設備が長いことそのキャンパスになかったせいもある。また同じ留学と言っても格も内容も違う。しかししばらく会わない相手とは握手をする習慣の他国から戻り、同時に互いが他国で味わった苦労を思い、共感から思わず手が出たのである。

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