2020/06/20

宗教の勉強

大学一年の頃、セブンスデー・アドベンチストという再臨派の一派の千歳船橋駅近くの教会堂で聖書の勉強をしていた。きっかけはある人の講演会にふらっと入ったことだったと思うが、牧師さんから通信教育用の教材を使って聖書学の講義をマンツーマンで毎週一時間ほど教材の終わりまで受けて修了証をもらった。

当時は共同訳が新約だけ出版されていて、プロテスタントの教会では聖書は口語訳が広く使われていた。家でそれを二回半くらい (民数記などの繰り返しばかり多いところも一行も飛ばさずに) 通読し、たまに礼拝に出て何書の何章何節をと言われると、旧約だろうが新約だろうが会衆の誰よりも速く当のページを開くくらい詳しくなった。たいていのクリスチャンは好きなところだけを繰り返し読んでいるものらしい。私も通読とは別に列王記などの歴史的事実をたくさん含む部分などを好んで読んでいた。

当初は入信もありという気持ちで臨んでいたが、どうもキリスト教の教義に受け入れがたいところがあったし、礼拝の雰囲気も好きではなかった。それで忙しいのに何ヶ月か週に一時間も無駄に潰した牧師さんに申し訳なく、講演会のビラ貼りを手伝ったりした。教会の講演会やバザーのポスターはよく電柱に貼られるが、厳密に言ってそれは軽犯罪法違反だということで、必ず家の人に許可を得て塀などに貼らしてもらっていた。

聖書は数日間の講演会皆勤でもらったものだが、そこで勧めてもらった同教派の本や大きな本屋で見つけた本 (コンコーダンスなど) も色々と買って勉強した。さて、その牧師さんからある古本屋のことを教えてもらった。近くにある「あかぎ書店」という古書店では新刊書を5%引きで取り寄せてもらえるという。二子玉川の三省堂で見た原全教著「奥秩父」正続二巻の復刻版を少しでも安く買おうと思って行くと「誰から聞いた?」と問われた。当時の再販制度では許されていない行為だったのだろう。その後も大学で必要な高価な教科書や学術書などを売ってもらった。もうその書店はやっていない。

その後イスラム教に興味を持って勉強した。きっかけはイスラミックセンタージャパンから寄贈された会誌を大学図書館で見つけたことだった。東北沢駅の近くにあったイスラミックセンター・ジャパンの金曜会や区民会館での黒田氏主催の木曜会などで勉強した。礼拝や堂内 (建て直される前の東京回教学院) の雰囲気もプロテスタントのものより好きだった。と言って入信もしなかったが、とうに改宗したと思い込んでいる人たちもいた。井筒氏訳の岩波文庫のや三田氏訳のコーランを買って読み、他にも出版物を色々買い、会誌のバックナンバーも全部揃えたが、ブラジルに行っている間の実家の建て直しの際にイスラム教関係の図書一切合切が行方不明になった。

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