2019/05/05

自転車乗りの滑稽な用語

ダート:斜面を重機で掘ったり均したりして道を形づくった、あるいは林間に自然にできた、土くれや石や上から落ちた岩が残っている道の事だが、自転車乗りはアスファルトや敷石などで舗装していない土や砂利の道は何でもダートと呼んでいる。
例えば河川の堤防の上の道路だが、あれは堤防を保守する車両が通行できるように土を盛った堤防上に砕石を敷いてローラーで転圧舗装したもので一種の舗装道路なんだが、自転車乗りはダートと呼んでいる。

ガレ場:昔の猟師の言葉で、沢の最上流部である源頭の岩や角の取れない石で覆われた急斜面のことだが、自転車乗りは大きめの小石がゴロゴロしていれば傾斜の有無に関わらず、道でさえガレ場と呼んでいる。初めてそれを読んだ時には、ええっ?あんな所を自転車で?凄いな、と無駄に感心してしまった。

ハンガーノック:事前の食事に対して運動で消費した熱量が大き過ぎ、登ったり漕いだり走ったりする力がなくなってくること。ただの疲労によるバテと異なり、休んでも力が戻ってこない。しかしこれには登山者の間で昔から使われてきている「シャリバテ」という立派な用語があるのだが、自転車乗りは知らないものだからカタカナ語を使っている。

落車:自転車に乗っていて転倒することをカッコよく表現する言葉。明らかに「落馬」からの造語で、競輪から来たものだろう。しかし自分の意思を持ち自立する馬からは落ちることも可能だが、乗り手よりずっと軽く低い自転車から落ちることはできない。