2020/05/23

革製犬具

一番はじめにさちに買った犬具は東宝日曜大工センターで売っていた化繊製のリードと胴輪のセットだが、それで庭に十分か二十分繋いで目を離している間に灌木にぐるぐる巻きになってしまい、自由になろうとして半分くらい食い切ってしまった。

次の二本のリードは別々の店からそれぞれネットで買った染色していない (ヌメ革の) 製品で、どちらも無料でアルファベットで名を刻印してくれるのだが、これはしばらく使うと読めなくなってしまう代物で、明らかに返品を防ぐためだけのサービスだった。一本目は引きずらせたりしてすごく汚くなってしまい、二本目は届いてみると通常の 2/3 くらいの厚みの二枚の薄い革を銀面を外側にして貼り合わせたもので、すこぶる弾力性に乏しく、角が立っていて手に優しくなく、使い込んでも手に馴染みそうにないので全然使っていない。どちらも手元のループと茄子環スイベルとの接続部の折り返しはリベット止めで縫い合わせじゃなかった。このリベット止めも裁ちっぱなしかちょっと面取りしただけの革も安物の特徴だ。とにかく犬のリードには汚れの目立つヌメ革は勧められない。

革首輪は最初京都ダイゴ犬舎のサイトから瀬川製作所製の半丸首輪を、それから瀬川から直接丸首輪を買った。半丸は大公園で迷い犬を皆で保護した際に、バッグに予備として持っていたもので、返ってくるものと思って提供したらそのままになってしまった。脚側歩行のしつけが終わってから胴輪に変えた。

革の胴輪は瀬川でも、同じ大阪市の岡野製作所でも、軽便胴輪と呼ばれるギリシア字のθ型の両端に肩の上に回す短い革帯が付いているもので、両前肢をθ型に通し革帯の先のリングを背中で合わせ茄子環でひと括りにするもので、他に左右の接続部がない。鉄砲茄子環との相性は悪い。半年か一年足らずの間に他犬と遊ばせている時に一回、散歩から帰って屋内で胴震いした時に二回、輪の一方が鉄砲茄子環から外れて胴輪全体が脱落してしまった。以後は茄子環に加えて家電の 100V 交流電源コードに付いているコードストラップで両方の輪を繋ぐことにした。このことを瀬川に伝えてもっといい胴輪を作ってくれるように頼んだが、岡野ともどもいまだに軽便胴輪しか売ってない (岡野で扱う盲導犬用は別として)。

Rabbit hutchNogawa river
上は小学校の兎小屋、下は野川中流で。瀬川製の軽便胴輪の両リングを白いコードストラップでダメ押しに括っている。

その後首輪や胴輪は繊維製品しか使ってないが、リードに関しては手に馴染み優しいことと衝撃吸収性から革製品に限ると思う。

リードは瀬川製の140cmのものを首輪と一緒に買って11年使った。

公園散歩用に3メートルリードのカスタムメイドを瀬川に頼んだら、できないと言われた。定尺の原皮か革を輸入しているのかも知れないし、皮から両端の折り返し部を含めて3メートルを超える帯を取るにはぐるぐる渦状にカットしなければいけないが、一本だけ取ると無駄ができるからだろう。それで米国の Alpha-1 というブランドの店に注文し、ついでに5フィートの普通のリードも頼んだ。

2 dog leashes
瀬川製 (中央) とAlpha-1製 (その上下、色は違って見えるけど一本の両端) のリード

両者を比べると Alpha-1 製は革を折り返して縫った部分が長いこと、手に優しいように瀬川製は革断面になにか柔らかい樹脂を塗ってあるのに対し、Alpha-1 製はただ断面を丸く整形してある。鉄砲茄子環は瀬川製が可鍛鋳鉄のクロームメッキでAlpha-1製は真鍮製だ。3メートルのは結局さちの体格には重すぎ中間部を引きずるので、使わなくなった。瀬川製のリードが11年使ってスイベル部分が摩耗して抜けたあとに Alpha-1 のを使い始めた。

革製登山靴で山をやっていたので革手入れにはこだわりがあり、道具や消耗品もいろいろ持っている。一時期公園にはレッドウィングのペコスブーツを履いて来ていたし、十年前から乗っている自転車もイギリス製革サドルをつけているのでそれも手入れがいる。サドルもそうだが特に靴のように使用中に力がかかり、変形しては絶対にまずい製品では革が伸びないように注意しなくてはいけないが、リードは伸びたところで格別問題はない。

たぶん衝撃吸収率は落ちるだろうが。それでニートフットオイルをたっぷり塗り込んで柔らかくしてから蜜蝋その他を有機溶媒で塗りやすくした製品 (Sno-Seal など) を塗って仕上げる。縫い目付近にはオイルを塗って縫い穴周囲が軟化すると傷むので、縫い合わせ部とその周辺には常温で液体の油脂やラノリンを含まない、松脂を加えた蜜蝋を Sno-Seal と一緒にとかして塗り込む。

付け足り:当時 Alpha-1では酪農用ミルカーのゴム部品の廃品から犬の引っ張りっこ用の玩具を作っていて、それも無料で送ってくれた。一度か二度公園に持っていってゴールデンの故ランド君と遊び、あと公園にはもう来なくなったゴールデンのアビー君 (雄なのにブリーダーで女名前をつけられている) の飼主に差し上げた。アビー君が死んでからお宅に行くと対自動車の緩衝材として門扉の内側にぶら下がっていた。

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