2016/06/17

ジャンクフード

近所のスーパーで犬用おやつとして売っているのは例外なくジャンクフードに類するものばかりだ。

だいたいは鷄の屑肉、例えば鷄ガラに高圧ウォータージェットを当てて落とした肉切れみたいなものやファストフード企業の基準にも引っかかるような古い肉などを挽いて結着材料や軟化剤を混ぜて成形し、着色料や犬の食欲をそそる何か魔法のような合成香料を吹き付けてある。たいていジャーキーと名付けて売っている。ペット用品店ではもう少し良いものも売っているが、自分の犬に長生きして欲しいと願う飼い主が買いたいと思うようなものは一部でしかない。

犬を飼っていないが慰みに公園などでよその犬におやつを与えて喜ばせたい人はたいてい、そういう「ジャーキー」を用意してくる。魔法の香料のおかげで犬どもは自家製の上質なおやつや鶏獣肉・臓器の素干しやフリーズドライのような高価なおやつよりもそういうジャンクを食べたがる。与える方は相手の犬が太り過ぎていようが気にかけない。しかも量が多い。断るのに、あるいは最少限度にしてもらうのに苦労する。訳を話して「お金を出して感謝されないどころか敬遠されるのは馬鹿馬鹿しいでしょう、どうかやめて下さい」と言ってみたい。

飼い主の一部にもそういうジャンクを自分の犬に与える人がいる。知り合いの犬に箱みたいに太った柴犬がいるが、飼い主は避妊手術のせいで太るのだと言っている。確かにそういう犬もいるだろうが、その人が他人の犬に物凄い勢いで「ジャーキー」を与えるところを見たことがあるから全然信用できない。

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